| 第二部（１） | ||
| 第一場 パリにあるラテン風の小さな広場。そこにはレストラン「ボーラ・デ・オーロ」や皆が訪れるダンスホールもあります。 ヴィクトール 雪に覆われた不思議な夜やなぁ。パリは静かや。ヴィクトールは晩メシ食うてへんねや。俺はずるい宿屋の主を説得出来ひんかった。雪降っとるし、腹減ったし、俺は自分が何やったらええんか分かれへんねや。。。 第二場 男女のグループはダンスに行こうとします。 女性 雪降ってるじゃん！ 男性 全く〜。最悪な夜だぜぇ〜。。。 全員 俺達は「エル・ローレル」へ踊りに行くんだぜ！ 女性 踊って貴方を暖めてあげる。 男性 俺はそこで暖まっていたいよ。 全員 愛情のこもった腕を組んで踊りに行こうぜ！ 第三場 コセッテが傘を開いてやって来ます。 コセッテ 家だわ！入る前にここでパパと待ち合わすの。 彼女はレストランのドアの方に目を向けます。 |
ヴィクトール 最高の幸せや！女の子がおるやんか。あのコの顔は好みか？俺はあのコの姿全部が好きやねん！ コセッテ ダメだわ！パパはいない。。。 彼女は右側の家の方へ向かっていきます。 ヴィクトール あのコ、綺麗や！ごっつい綺麗や！ コセッテの方へ近付こうとします。 お嬢さん、お嬢さん！声掛けて喜ばしたろ！・・・あのコ、答えてくれへん。。。あのコに付いて行ったろ。あのコ、俺の方見てへんなぁ。俺、今夜は全然運が無いんがみえみえや！ ボヘミアン達 諦めずに幸せを求めて行こうぜ！俺達の魂は愛と自由なんだ！ ヴィクトール 俺の友達、近くにおるねんけど、今夜のヴィクトールはパーティー行く気せえへんねん。そやからあいつらに会う気せえへんねや。。。 彼は隠れようとします。 ボヘミアン達 万歳！さぁ、熱心な心のボヘミアン達がやって来たぜ！俺達は愛のこもった神聖なパーティーに行くんだ！花の中の色を燃やす日光の光の様に震えたり賑やかになったりするってのは愛のキスだ！森では自由な鳥は自由に歌って海へ流れる川は自由を歌うんだ！ ボヘミアン この様なボヘミアンの魂が宿った深い海でのキスは熱狂的な情熱の中で燃やされるんだ！それで何時も幸せな俺達は人生を旅して周ってるんだぜ！それで自由は俺達の愛の栄光を歌うんだ！ （中略） |
ボヘミアン ボヘミアン、万歳！ 全員 万歳！ 皆が去った後でジュアナ＆セシリアが現れます。 ジュアナ＆セシリア さぁ、諦めずに幸せを求めに行こうよ！全部の生活で何が大事なの？ ヴィクトール あの買い物しよる2人の女の子。メッチヤ綺麗やんか！俺、あのコらナンパ出来るか試したろ！なぁ、パリのええ女の子はこの辺で何やっとるんや？ ジュアナ＆セシリア アハハ！あの男、かなりの奴じゃん！コートも傘も持たずにアタシらに言い寄るなんて、あの男っていい根性してるよ！本っと！超いい根性してるじゃん！ ヴィクトール なぁ、旅人にあんたらの隠れた優しい心見せてくれや！ ジュアナ＆セシリア ふん、隠れた心なんて無いに決まってんじゃん！部屋だって無いしさぁ！ あちこちでボヘミアン達の声が聞えます。 ボヘミアン達 愛！愛は自由だぜ！ |
| 第二部（２） | ||
| 第四場〜第六場 ヴィクトールはジュアナとセシリアの事を好きになっていますが、自分が持っているお金が足りない事に気が付き、彼女達にダンスのチケットを渡しますが、彼女達は自分達にパンチドリンクをおごってくれるジラルドに付いていく事を好みます。ヴィクトールは戻ってマルセロと会いますが、1杯のコーヒーさえもおごれるお金がありません。ヴィクトールが食べ物を探しに出かけると、ミミの家で夕食を済ませたロベルトがやって来ます。 第七場 ロベルトはスーツとコートを上品に着て舞台の側にいます。 ロベルト 満足な食事の後は何て喜ばしい最高の幸せなんだろう。美しく、素晴らしい生活だ！熱いスープに隠された秘密は何だろう？トリュフに七面鳥、それに高級なシャンパン。僕には分からない。だけど自分の為に今までは感じなかった甘い喜びが生まれてくるのを感じるよ！ 第八場 コセッテは上品な服装でコートを羽織って入口の所にいます。 コセッテ 私はこの服装をした人が他に誰かいるかどうかを見ているの。あぁ・・・お金が。あぁ、いくらかかるのかしら。 ロベルト いつもこうだったら楽しい生活が送れるぞ！ コセッテ 私は誰に会うの？ロベルトだわ！あの人、ここで誰を待っているのかしら？ 第九場 ジュアナとセシリアはレストランからやって来ます。 ジュアナ アタシは詩人を待つのにもううんざり！ セシリア いや、彼、あそこにいるよ！ ジュアナ どうして、ロベルトじゃん！ ロベルト 君達、何処へ行くの？ ジュアナ＆セシリア アタシの彼氏、彼氏、超カッコ良いじゃん！あなた、見させてよ！アタシがこんな憧れのハンサムな若者に会うなんて、驚かないでよ！あなた、面白いし誰にもあなたには叶わないし・・・そりゃぁ、当然今夜は制服しまくりだってば〜！ ロベルト このハンサムな英雄みたいなふざけた事はしないよ！今夜、もし僕が英雄だったら1人だけじゃなく2人共だよ！ ロベルトは彼女達を抱き締めます。 コセッテ あの人ったら、あの子達を抱いているわ！それにあの子達も笑っている！あの人を愛情を込めて見ているわ！ コセッテはロベルトの方へ近付いていこうとします。 あぁ、私は行くのよ！再び戻って。。。 ダメ！私には出来ないわ！あの人は自分に向けられている私の愛情を知らないのよ！ |
ロベルト 君達の目は僕自身を燃える様な情欲で探っているね。 ジュアナ＆セシリア あなた、街でアタシ達に話し掛けてるけど注意してよね！ ロベルト 君達の唇から甘い愛の快楽を味わいたいよ！ ジュアナ＆セシリア ロベルト、静かにしてよ！そよ風が吹いて情熱の火が消えちゃうじゃん！天って炎みたい！全く馬鹿げてるよ！ ロベルト 僕は君達を愛してるんだよ！愛してるんだ！ コセッテ もう我慢出来ない！ロベルトの前へ出て行きます。 ロベルト！ ロベルト 誰か呼んだのかい？ コセッテ 何ですって！ 彼女は自分がやった事が惨めだと思い込みます。 ロベルト 女性か！ コセッテ あぁ、コセッテったら！何てことしでかしちゃったんだろう！あなたは気が狂った女なの？ ロベルトは優しくコセッテの方へ近付きます。 ロベルト 美しいお嬢さん、何が望みなの？君の美しい視線を落とさないで！頬を火照らさないで。臆病なお嬢さん、君は僕を呼んだのに去ろうとしたね。僕はロベルトだよ！ コセッテ 震えてるの。 ロベルト お嬢さん、僕を見て！ コセッテ 彼が知らないのなら、私は彼の為に死ぬわ！ ロベルト この女の子は何て美しいんだろう。 セシリア アタシらの中でもいっぱいいるよ！ ジュアナ アタシはもうあのコに会ってるよ！ セシリア あのコ、絶対に彼の恋人だってば！ ジュアナ そうに決まってるじゃん！あのコが彼を呼んだから間違いないよ！ ジュアナ＆セシリア さよなら、ロベルト！ ロベルト 神が君達と共にあらん事を。 ジュアナ＆セシリア さよなら、ロベルト！ ロベルト さよなら。。。 第十場 ロベルト 君の唇はどうして黙っているの？君がどうして内気なのか僕に教えてよ。 コセッテ 私を忘れて、お願いだから忘れて頂戴！ |
ロベルト 無理だよ！綺麗なお嬢さん、君は誰なの？僕は知りたいんだ！君は僕の名前を知ってるけど僕は君と今まで会った事がない。だけど今僕は君に会ったんだよ！凄く綺麗で上品だし、僕は君を忘れるなんて出来ないよ。僕がもう一度会ったら君の事をどう呼べば良いのか分からないし。。。 コセッテ 私を忘れて頂戴！ダメなの！出来ない。私の名前・・・何故なの？ ロベルト 今度もう一度会った時に愛を込めて君を呼ぶ為だよ！ コセッテ 私、名前を呼ばれても直に答えられないの。今度会ったら私に「コセッテ」と呼んで頂戴。 ロベルト コセッテ！ コセッテ コセッテよ！もう行かせて！ロベルト、忘れて頂戴！燃える様な愛情のこもった言葉を聞くべきじゃないの。 ロベルト 僕は君のものだと分かったよ！僕は永久に君のものだ！それに僕は永久に君の幸福な愛の奴隷になるよ！ コセッテ あぁ、もう黙っていて頂戴！私は貴方には何も言えないわ！ ロベルト 去ってしまう為に僕は君を抱けないのか！ コセッテ 急いでるの！私ったらどうして彼を呼んだのかしら？ ロベルト 僕はこんなに綺麗な顔を見た事がない！ コセッテ 彼の愛を勝ち取れるなんて、私って何て幸せなのかしら。 ロベルト 彼女を愛する事が僕にとっては最大の幸せだ！ コセッテ 貴方！ ロベルト 君が大好きだよ！ コセッテ 大事にしてね！ ロベルト＆コセッテ 神よ、どうか！哀れみには理由があります。 第一一場〜第一三場 ロベルトは去りますが、コセッテは自分達が絶対にその夜の間に再び会えるだろうという事を彼に約束します。 マルセロとコセッテが去った後、ヴィクトールがやって来ますが、食べ物が無い為にヤケクソになっています。彼は誰かが自分に哀れみを示すかどうか確かめる為に自殺するふりをします。それで遂にジラルドがヴィクトールを慰めて、一緒に喜歌劇を観に行けば助けると約束します。 |
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